【アル中】飲む量が増えることは全く気付かない?多分気付かないフリをしてました。
酒を日常的に飲むようになったのは21歳くらいの時だったと思います。
よくいる調子に乗った小僧だった僕は、「酒を大量に飲めればイケてる」みたいな考えだったんですが、それでも嗜む程度だったんです。
最初は社会に出てから一人暮らしを始めて、仕事帰りに発泡酒を買うようになりました。
自宅で一人で飲むようになり、誰にも気づかれずに依存を深めていくことになるなんて思いもしませんでした。
今回のエントリーは『最終的にはウィスキー一瓶を一晩で空けるようになった僕の軌跡』を書こうと思います。
長生きすることができたら、成人後の子供達にもパパが酒を飲まない理由を話したいと思います。
断酒前の飲酒量の遷移
断酒する1年前は毎晩ワインのフルボトル1本を30分で飲み干していて、2本飲んでしまうと次の日に支障するので、自分なりには抑えてる感覚で1本半つまり1リットル強を2時間程度で空にしていました。
当然足りないのでその後コンビニにビールを買いに行くんですね。
足りないっていうのは、酔いが回ってくる時間に対して酒の量が足りなかったり酔いが回ってきても酔い方が足りなかったり色々足りない感覚がありました。
素直に2本飲んだらいいと思うんですが、2本飲むと支障するのでアルコール度数の少ないビールを買いに行くんです。
「ビールはアルコール度数が低いのでOK。川島なお美は更にここからワイン飲むんだよ?ビールなんて水よ。」
みたいな考えをガチでしてました。
こんな飲み方を毎日してたので、当然小遣いじゃ賄えなくなってきます。
そこでコスパを追いかけて4Lのウィスキーに手を出しました。
終わりの始まりです。断酒4か月くらい前のことでした。
4Lのウィスキーを1ヶ月かけて飲むつもりが3週間目には全て飲み干し、次は大丈夫と同じ量を買って2週間で飲み干しました。
4Lウィスキーを飲み始めた頃から体が酒を受け付けなくなってて、匂いを嗅ぐだけで嗚咽してました。
しかし僕は「酒が安いから」「美味くないから」と思い込んで飲むのをやめませんでした。
そうはいってもあまりにも飲みにくいので安い酒をやめ、晩酌に持ってくるには少し高めの酒に変えました。
チビチビ飲めばいいからなんて思ってましたが、そんな事は当然できずに結局はそれをほぼ一晩で飲み切るようになっていました。
最後に飲んだ一瓶の写真です。美味いんだこれが。
戒めのために最後の日の姿のまま残しています。
下敷きになってる鄧小平の伝記なんてのを酒のツマミに読んでました。
内容は頭に残っていませんが、アルコールのトリップとWW2の世界情勢とが相まって楽しく読んでいたのは覚えてます。
ちなみにこの量を毎日飲んでいると、いよいよ一般的なアルコール依存症者のイメージ通りになってくると思いますが、自分じゃ全然気付かないんですよね。
この頃はもっと酷いのいるじゃん大丈夫大丈夫とガチで思ってます。
最初からそうだったわけじゃない
この量を飲むようになったのはもちろん最初からではないです。
むしろ20歳頃はあまり酒は飲めませんでした。
特にビールや日本酒が苦手で、瓶ビール2本飲んで吐き出し、次の日はひどい二日酔いで一日中吐いてたのを覚えています。
会社の飲み会で『ニョッキ』で負けたら一気飲み!みたいなのをやらされ、日本酒を一気して白木屋の廊下に盛大にリバースかましたこともあります。
そんなことをやってると、みんな一度は経験があると思いますが二度と酒なんか飲まないと誓うわけです。
でも不思議なもので、習慣的に飲むようになったのもこの頃です。
最初は仕事帰りにコンビニに寄って晩飯と発泡酒を1本買うのが日課になりました。
それがすぐに2本になり、ハタチそこそこの若者ですから週末は友達を家に呼んで飲み会をして、1晩1ケースを飲むのが割と普通になりました。
この翌年あたりには、ビールはコスパが悪いということで焼酎やワインを飲むようになりましたね。
コスパというのは値段対酔い度合いですね。
でも、ただ単にアルコール度数が高いだけではダメなんだと謎のこだわりも発揮していました。
スピリタスとかも飲んでましたが、そういうのよりは霧島を飲むみたいな、小僧にはありがちなアレです。
安くて口に合うワインを見つけてからは、ワインを飲むようになり最初は二日に1本くらいのペースでした。
ちなみにこのワインです。
断酒記事書いておいてアレですがオススメです。
料理に使ったりとかね?自分で飲む以外にもいろいろね?あるから。
甘すぎないけど飲みにくさもないですよ。
コレを見つけたのが25歳くらいでしたが、この頃ワインを1日1本空けるのに苦労することはなくってました。
空けるのが普通なのでコップに注ぐのすら面倒くさくてワインをラッパ飲みしてました。
当時の僕を知る人は、僕といえばワインのラッパ飲み!だと思います。
夜にコンビニを出たところで瓶ごと飲んでたのを友達に目撃され、『ありえねぇ。アル中じゃん』と真顔で言われたこともありました。そういえば。
そのペースが30才になるにつれどんどん上がっていきました。
ワイン1本なんて帰宅後1時間ともたなくなり、酔いを回すためにストローで飲んだり、ちゃんぽんしたりと色々な迷信を試したりもしました。
30超えてからは苦手だった日本酒も飲めるようになり、酒ならなんでも飲むようになってまして、いわゆるのんべぇが出来上がってました。
二日酔いで仕事に穴をあけることはなかったんですが、上司と飲んでる時に有給を申請して次の日休んだりとかは普通でした。
こう見ると10年かけて依存症が進行したようにも見えますが、実は酒がないと眠れないと感じたり、仕事終わりに酒がないと物足りなくなったのは最初の発泡酒を習慣的に書い始めた頃でした。
ってことは習慣的に酒を飲むようになったのが依存の始まりで、依存が深まるにつれて酒の量が増えていったんだと感じます。
なので、ハタチの時に酒を買うのが習慣になった時点でこうなる運命だったといえばそうだったんです。
酒の認識を改めざるを得ない
つまりお酒は少量飲んでたってダメ、休肝日を設けてもダメということなんです
酒との付き合いは結局、いろんなエントリーで書いてますが「やめるしかない」「飲まない」に越したことはないんです。
『正しく付き合いましょう』というのは幻想です。
土台無理なんです。薬物ですからね。
薬物との付き合い方は、付き合わない事です。
酒に対しては少しでもそういう認識が広がればいいと思います。
僕は断酒を始めたばかりの頃、依存症の方々の体験談や本などを読んでいました。
特に読んでいたのは「まんしゅうきつこのアル中ワンダーランド」です。
この本が、まぁ冷や汗満載で自分を見てるかのような内容でして、酒を飲まないでいられるモチベーションでした。
内容はアルコール依存と向き合うよりも、いわゆる酒乱にスポットを当てていること、本当に酒で記憶を飛ばしているからなのかパロディ的に描きたいのかわかりませんがいい意味で内容が薄いことや話しが飛び飛びで、それがエラくリアルなんですよ。
自分にも身に覚えがありすぎて困る、酒を飲んで暴れた日々、酒に潰された時間、おぼろげな記憶を手繰り寄せているだけで終わる一日、そしてまた繰り返す酒を飲む日々。
酒を飲んでいた時期はすべてが酒中心の生活でしたから、酒から酒に日々が橋渡しされるだけで、何も内容のない毎日でした。
それをこの本は雰囲気として表現しているのが生々しいんです。
アマゾンのレビューでも書かれてるんですが、この本に書かれてることはその辺の酒乱の人、酒飲みの人と変わらないです。
そうなんですよ。
「なんだその辺の酔っ払いじゃん。じゃ、自分は大丈夫。」じゃないんですよ。
酒乱の人や酒飲みと言われる人や『酒飲まないとイイ人』的なこと言われる人は依存症を認識したほうがいいです。
酒は薬物ですから、「量を守ってるから薬物使ってもいい」とはならないのと同じで、酒に対する薬物的な認識が広がることを祈ってます。