【アル中】家族との会話から見るアルコール依存
酒を飲んでた頃は対人関係がよくなかったんです。
ってか何かしらの依存症で対人関係がまともな人がいるかどうかはわかりませんが、基本的にアルコール依存症は対人関係が破綻してます。
僕の場合、特に奥さんとの関係が良くなかったんです。
今でも奥さんからあのまま酒を飲んでたら間違いなく離婚してた!って。言われます。僕もその認識があります。
それくらい破綻してた夫婦生活だったんですが、当事者である僕は当時はそんなことを全く思ってはいなかったんです。
むしろ子育てにも積極的に参加するし家事も積極的にするし女性の社会進出にも肯定的だし完璧ボーイを気取ってました。
今もその考え自体は変わってないですが、別にそれが完璧な人間だっていう意識はありません。
それらはやって当たり前のことであって「何かを誇るためにするものじゃない」ってのに気づきました。
実際アルコールで頭おかしくなって全然引き返せなくなった人たちの中には、オレは必ず成功する、みんなオレの実力を知らない、そういう自己肥大妄想に浸っている人たちがけっこういます。
— 禁酒の言葉 (@zSadzZYPnu8AChO) 2022年1月27日
アルコール依存症患者の中でも度の進んだ人たちは、こんなふうに自己評価が曲がってくる。
上を向いてアルコール
まさにこれです。
自分のしていることは素晴らしいことで、普通の人はそんなことをしないんだから自分は特別だっていう意識が強くありました。
そして行き着く先は「だから酒飲んだっていいだろう」です。
しかも、その異常さに全く気づかずにナチュラルにそう思ってましたから、そんな人間と一緒にいたら大変だってのは明らかですよね。
そうして奥さんとの仲がどんどん悪くなっていきました。
子は鎹
奥さんと別れずに済んだのはほぼ子供のおかげです。
子供がいなければもっと早い段階で別れてたと思います。
そういうとなんとなく上から目線ですけど、奥さんから見れば子供がいるから仕方なく同じ空間にいたってレベルです。
僕に関しては断酒に踏み切った直接の要因も子供なので、鎹どころの話じゃなくて子供が人生を救ってくれたみたいなところがあります。
結果として酒を飲まなくなって奥さんとちゃんと対話することができてそれを日々積み重ねてそれまでの自分を受け入れることで離婚をせずに今に至ります。
よくある酒飲みの勘違いポイントなんですが、酒を飲んで対話だ親睦だはできません。
酒がないからこそキチンとお互いを理解できますし、理解を求める声に説得力が生まれます。
そんで酒を飲んでいないからこそキチンと相手のことを考えた行動ができて信頼につながるんです。
僕は奥さんから全く信頼を得てませんでしたから何かしたいことがあってもまともに話もできなくて、それが不満になって酒をあおって八つ当たりみたいなことばっかりしてました。
極め付けは朝まで飲んで玄関で倒れて失禁してたりするワケなんで、そんなポンコツとこの先どうやって暮らしていくんだよ。。。って頭を抱えてましたね。
僕はそんなふうに奥さんを追い詰めてたんですけど自覚は全くなかったワケです。
この自覚がないってのが最悪ですよね。
なんとか破綻する前に生活を取り戻すことができてホッとしてる反面、当時を思い出すと今でも冷や汗が出ますね。
子供が生まれてなければ僕は酒に溺れてそろそろ入院とかしてたんだろうなと感じます。ハイ。。。
夫婦喧嘩は犬も食わない
断酒前は何かにつけて衝突してたんです。
酒で困ってる人に同じような人は多いかもしれませんが、僕は20代はいざこざが絶えませんでした。
自分はそんなつもりはないのに対人関係が悪くて、それは家庭内にも波及してました。
夫婦間のいざこざの主な要因は僕がどうでもいい細かいところにめくじらを立てて捲し立てて被害妄想を誇張させてました。
今思えば意味不明にキレてたなぁって思うんですが、酔っ払ってるとそれをスルーすることができなくなってました。
すごくない?
夫婦喧嘩は犬も食わないっていいますけど、旦那がアル中だから我慢を強いられる奥さんって構図を犬も食わないって表現はすげーなって思います。
断酒した後は仲良し夫婦ですから酒の影響が関係を悪化させてたってのは明らかですし、酔っ払ってれば何がきっかけになって怒り出すか分からないから何も言えない。要は嵐と同じで奥さんはただただ過ぎるのを耐えるしかなかったワケですからそりゃ関係も悪化しますよね。
なので断酒後は仲良し夫婦ですが夫婦喧嘩自体は増えてます。
これは僕がわけのわからない妄言を吐かなくなったこと、酒が入って急に変なスイッチが入るようなことがなくなったことで、奥さんが不満をその都度叱責という形で僕にぶつけるようになったからです。
というか酒をやめてから奥さんと不満はその都度爆発させていこうって話を何回もしてます。
せっかく話ができるようになったのに溜めて爆発させると前と何も変わらないって考えもありました。
僕も奥さんも夫婦円満の秘訣はこれだと思ってます。不満は溜めない。都度ぶつけて解消していく。
犬も食わない夫婦喧嘩にするためにはこういうコミュニケーションが必要です。
でも、酒を飲むとそんなことすらできなくなるワケです。できてると思ってる人もいるかもしれませんけど、できてません。
きっと経験があると思うんですが、会社の先輩や上司が酔っ払ってて自分が素面のときにまともにコミュニケーション取れました?
会社だからなんとなく許されてる感じですけど、基本コミュニケーションなんて取れませんよね?
配偶者が酔っ払ってるとこれと同じでコミュニケーション取れない上にそれが長期間だし家にいる間は基本的にそうだってなると家族との関係に悪影響が出るのは当たり前のことなんだなって思いますよね。
飲みニケーションなんて嘘でした
飲みニケーションに否定的な声が上がったニュースがでてますが、酒飲んでコミュニケーションなんて取れないんですよね。
でも、人は人とコミュニケーションを取りたいんです。
だからテレワークが推進されても集まりたがる人が後を絶たないんですよね。
それは分かります。
でも、コミュニケーションは酒で取る必要は全くないですよね。
うちの例を見ても酒がない時の方が円満です。あと歴史から見ても、特に日本は働かせるためにヒロポン使ってまで人を動かしてたワケですから酒使って人動かすのもなるほどなぁなんて感じます。
その結果がやたらと酒飲みに甘い世間ということになってるのかなぁ。
その影で愛する人とまともに会話もできなくて自らを苦しめてる人も大勢いるんだろうなぁって感じます。