【アル中】離脱症状と闘った日々を振り返る
この記事で酒に対する思いをある程度ブチ撒けています。
この記事は長い。4000文字超える長さなんです。
それでも、なお言い足りない。
断酒を始める、または続ける上で「絶対にこれでいい」という方法はないので自分に言い聞かせ続けるためにはそれも仕方ないかなと。
断酒はその時、その瞬間に何を思って「酒を飲まない選択をしたか」を積み上げる作業ですから、これだけやってればOKということはないです。
今回は、離脱症状がつらい時期をどう超えたかを振り返ります。
つらい時期は他人の経験談と代替品で耐えた
僕は過去に2週間禁酒していたことがあるんですが、*1強烈な離脱症状がつらくて結局スリップしました。
この時の僕には情報が足りなかったんです。
酒を飲まない間は何をするのか、酒が飲みたくなったら何をするのかそういうものを一切知らずに気合だけでやめていました。
月日は流れて10年後。
酒で完全にイッてるオッサンがそこにいました。
うつろな意識の中で、これはいかん...娘に早い段階で嫌われてしまう...「また」酒で失敗するのか...なんてフワフワと考える日々でした。
いつもは「まぁいいか。それでも酒が飲めれば満足だ」くらいに捉えてたんですが断酒したその日は違いました。
『もう酒では失敗したくない!』
そう強く思うことがあって断酒へ踏み切りました。
しかし、アルコールは薬物です。しかもハードドラッグ。辞めるには相当な苦痛が伴います。
その苦痛は1週間経っても消えることはなく、2週3週と永遠とも思えるような時間を過ごしました。
この期間何をして過ごしていたか振り返ってみると、多くの時間はアルコール依存症の体験談を読むことと代替品を飲んでいることでした。
ハイボール派は炭酸水じゃダメ
僕はハイボールを好んで飲んでいて、定期おトク便で毎月炭酸水を2ケース買っていました。これが全然ダメなんです。
よく炭酸をアルコールの代替品にしている方を見るのでいけるかなぁなんて思いましたが、僕はコレだとハイボールを強烈に思いだしてしまいスリップを感じました。
次に試したのは「満腹」です。
僕は酒を飲むと何も食べないんですが、食べると酒をあまり飲めなくて、それを嫌っていました。
じゃ、満腹なら飲まないのでは?ってことで最初の1週間は家に帰ってまず米を掻き込んで飲酒欲求を紛らわせていました。
これはボチボチ効果ありでしたね。
1週目の主な離脱症状はこんな感じでした。
1日目は特になし。*2
2日目は意志で制御できる程度の飲酒欲求と不眠。
3日目くらいから離脱症状が激しくなってきて、まだ意志で何とかなるけど強めの飲酒欲求、不眠、焦燥感、不安感に苛まれました。
僕は火曜日に断酒を始めたので、平日はテンションで乗り切れました。
満腹になって寝付いてしまえばラッキーですし、仕事の時間は飲めません。
イケるイケるなんて思って迎えた週末。初めての週末は山場でしたね。
しんどかった記憶があります。
休みってこともあってか、意志では抑えられない激しい飲酒欲求が湧いてきてどうにもなりませんでした。
そこで、僕は先人の知恵を頼ることにしました。
コチラです。
生生しい体験談が寄せられています。
とはいえ、頭の中は酒のことでいっぱいで、なかなか頭には入ってきませんでした。*3
繰り返し見て戒めにしてたのですが、頭の中は「酒は飲まない!」という強固な意志と共に「酒が飲みたい!」という渇望があり、もう酒以外のことは考えられなくなっていました。
後になって妻に聞いた話ですが、僕は血走った目で部屋の隅に陣取り落ち着きなくソワソワしていたようです。
その姿はとても子供に見せられるものではなかったということです。
この話を聞いて僕は「ジャンキーそのものやんけw」と笑っていました。*4
他人の体験談を読むと自分にも身に覚えのある事が多々あり、アルコールに屈する寸前の意思をなんとか立て直すことができました。
断酒会やダルクが効力を発揮するのはこういうところだと思います。
人のふりを見て我が振りも直せるし「苦しみながら回復を目指す人がいる」ってのが気持ちを支えてくれます。
依存症って理解されにくいですからね。
ただだらしない人に見られがちですが、「病」なんだとわかってくれる人がいるってだけで楽です。
もちろん僕の場合も最初は妻が理解してくれてませんでして、何度も「そんなに辛いなら飲めば?」と言われました。
怪我の功名ですが、変に天邪鬼な僕は「じゃぁぜってー飲まない!」と逆ギレすることで酒を絶って行きました。
最初の週末は24時間常に飲みたいし全然寝れないし、渇望感がすごかったです。
普通に「あ~ビールでも飲みたいなぁ~」みたいな「飲みたい」じゃないんです。
明らかに薬物的な渇望です。
脳が酒飲んで楽になれ👼って命令をしてきてるんです。
頭によぎるのは「飲めば楽になる」の大合唱。
「飲め!」という脳からの命令を肉体で「飲まない!」と反抗するわけです。
感覚的にはダイエットの空腹と闘う感じと似てますね。
うまくコントロールすることが必要な感じも似ています。
飲酒欲求が限界に達した僕はノンアルコールビールに助けを求めました。
これはスーパーナイスアイテムでした。
薬物依存でも代替療法を行ってるのを目にしますが全く同じですよね。
ボチボチ飲んでる気になりますし3本くらい飲むと立派に「もういいや」ってなってちょっと落ち着きます。
ちょっと攻略できた僕は、早く平日になることを願ってノンアルコールビールをガブガブいってました。
平日になれば仕事もあるし、気が楽になるのかななんて思って。
ちなみに僕は休日になると朝から飲んでいたので、ノンアル飲料はそれにも対応できます。
つまり最高です。
今でも朝はノンアルビールを飲むことが結構ありますよ。
地獄から帰還して見渡した日常
仕事があるから楽になるかなと迎えた平日。
実際は全く逆でした。
飲酒欲求がどんどん強くなって、定時の間は意識を保っているのが精いっぱい。
仕事から帰るとキッチンでへたり込んで飲酒欲求が収まるのを耐えていました。
死んだ目をしてたと思います。
この2週目がピークでした。10年前に失敗した時も2週間だったなぁ。
何をしていたかも記憶にないですが、ただただ耐えていました。
満腹になりノンアルを飲み寝る。
幸いこの週末に大学の単位認定試験があったと思うんですけど、その対策をしていたので手持ち無沙汰になって酒を求めることは無かったです。
それを超えてからは飲みたいは飲みたいけど、渇望するような、衝動的なのは減っていったと思います。
少し落ちついたのは大学の試験が終わったあとの断酒後3週目。
僕はまんしゅうきつこのアル中ワンダーランドを買って読んでました。
一日何回も読んでましたね。
すぐ読み終わるので集中力が持たないこの時期にはちょうど良かったです。
大学から帰るときに新幹線待ちの暇をつぶしてた時に目にとまって立ち読みしたんです。「俺じゃんコレ」と思ってそのまま購入。
今思えばこのころから、自分を客観的に見れるようになったんです。
前の週は体験談を読んでも「自分はまだマシだ」と思い込もうとしてたことに比べれば大きな進歩ですよね。
断酒も3週目を超えたあたりで、飲酒欲求が落ち着いたのでいろいろと身の回りを観察した会話を覚えています。
その一つに、「ゴミが減る」ことがありました。
我が家では燃えないゴミの日に45Lゴミ袋4~5袋分の缶や瓶、ペットボトルを捨てに行ってました。
2週に一回の回収なのでゴミが貯まるんですが、それがほぼなくなるわけです。
ってか2週に一回の回収の意味が分かりましたよ。
普通の家庭だとそんなに燃えないゴミって出ないんですね。
実際に今まで出てたゴミがなくなるという体験で「酒やめたんだな」と実感できました。
あと、離脱症状の不眠も改善されてきたのもこのころですね。
酒がないと寝れない!のアレがなくなり、酒無しでも寝られて、さらに「睡眠でちゃんと疲れが取れる」んですよ?すごくない?
オッサンになったら寝ても寝ても疲れ取れないよ~とか思ってましたけど、違うから!それ酒の消化で体使ってるだけだって!
体が若返った気がするくらい疲れはがっつり抜けます。
酒飲んでた頃の休日は起床が10時くらいでしたが、8時台には子供が起きていたので2時間くらい寝室で一人で遊んでました。*5今は遅くても8時半には目が覚めてしまいます。子供より早い時も珍しくない。
さらに二日酔いには当然ならないので、朝から活動的な行動ができるわけです。
すげぇ。
あとお金。
僕は酒とたばこをやめたのですが、これらに月間4万くらいは使っていたはずです。
じゃあ今4万浮いてるのかっているとそうじゃないですよね。どこかに消えています。
多分ギャンブルかなぁ...
気を緩めると酒が飲みたい。そんな時はなぜ断酒したのかを振り返って
1カ月をクリアした後は割と順調でした。
断酒直後ほどの激しい離脱症状もなりを潜め、普通の「あ~飲みたいなぁ」レベルに落ち着きました。
その頃は夏だったのでBBQとか花火大会とか飲みたくなる場所に出ることは多かったんですが、僕は秘策を使っていました。
先に奥さんを飲ませてしまい強制的に運転は僕って状況を作ってですね...
こういった工夫?のおかげで順調に断酒を進めていき、半年を迎えた頃に年末に差し掛かりました。
この年は中規模なプロジェクトにアサインされてて、年末はいろんな業者と忘年会をすることになったんです。
その席で僕にとっては断酒生活で一番激しい飲酒欲求に襲われました。
仕事で世話になった業者のかたが珍しい日本酒を差し入れてくれたんです。
せっかく持ってきてもらったし、仕事でも世話になってるし、もう半年も飲んでないんだから一杯くらいいいよな?と思った事がきっかけで、とりあえずコップに注いでもらいました。
一杯くらいと言いつつ、もう気持ちの中では『今日はいいだろう』に変わっていて、すぐ後には『年末年始くらいは...』まで飛躍しました。
場の雰囲気ってのももちろんありまして、震える手に酒を持って葛藤しましたよ。
結局は飲まなかったんですが、そこから自宅に着くまでずっと飲みたい思いにかられていました。
だいぶ油断してました。
半年飲まなかったんでもう大丈夫だろうと思ってましたし、酒の席で飲まないことも慣れていたつもりでしたから、久々の衝動的な飲酒欲求は堪えました。
もうあとグラスを傾ければそれで終わりという感じだったんです。
その時にふと、「なんで断酒してんだっけ?」と思いまして。
あぁ、そうだ。子供に恥かかせる大人になるのが嫌なんだ。これ飲んだら元通りだなぁ。と周りの酔っぱらいをみて、申し訳ないけど彼らより子供のが大事だわ。ということで、お気持ちだけ頂戴しました。*6
こうして一番しんどい行事を超え、その後は順調そのもの。
大きな飲酒欲求もなく2年目を迎え、行事ごとは1周したので対応も余裕を持てました。
2年目からは体験談や依存症の話題から少しづつ距離を置き本来の生活を取り戻しつつあると感じています。
3年目の今はアルコールに関する認識が変わったことや自分の体が壊れたこともありますが、アルコールに魅力を感じることがなくなっています。
アルコール依存症者の平均寿命は53歳ですよ?
残された時間が20年を切っていると思ったら割と絶望ですが、アルコールにその時間をとられることなく健やかな時間を過ごしたいです。
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